2006年04月10日

五日目

朝目覚めると凄まじい風の音。
カーテンから外を覗くと細かい雨が風に乗って降っている。
早朝散歩したかったが…こりゃ無理そうだなあ…。
仕方ない、また寝るか…と目を閉じたその時。

ゴーン!ゴーン!ゴーン!

という爆音と共に朝の放送が始まる。

「チクタクチクタク ゴーンゴーンゴーン」〜♪

何だこの不安定になりそうな歌は…。
しかもやっぱり爆音。
そういえばカベルナリア吉田さんの本にも書いてあったな…。
なるほど、これか。
久高のゴーヤーの歌に匹敵するインパクト。しかも朝。

8時もすぎ、そろそろ朝食。
ここは朝食のみの民宿だが朝食には定評があるらしく楽しみにしていた。
一階に降り、おばちゃんに「おはようございまーす」
と言うと
「あら、ごめんなさい。まだ朝食できてないのよー」
なんだってぇー。
「もうすこしで出来るから、外散歩したら?傘は貸すし」

てなわけでお言葉に甘えて集落をブラつく。
しっかしまぁ…沖縄の集落ってのは本当にややこしい。
同じような後継ばっかりが延々と続きわけがわからなくなる。
考えても仕方がないので、とにかく歩き続けると
集落を抜け、もう島の反対側が見えた。
小さい島だなぁ、ここも。
そのまま海沿いを歩き宿へ戻った。

CIMG3437.jpg
謎のサークル

いよいよ待ちに待った朝食。いい加減腹も減ってきた。
朝食が揃うまでテレビを見つつまったり。
すると宿のおじさんらしき人がやってきた、
何だかフレンドリーでバシバシ話しかけてくれる。
沖縄の男性はシャイ、って定義に反する人に結構出会うなあ、今回。
しばらくすると孫娘らしき女の子がやってきて飼っている(?)犬と遊びだす。
するとおじさん
「汚いよ!ウンコもついてるんだよ!」
うんこって…(笑
しかし孫娘はもっととんでもない
「おじいちゃんの方が畑仕事でウンコついてるでしょー!!」
…なんつー暴言を…さすがのおじさんもこれには…
と思ったらやっぱりニコニコ。おおらかだなあ。

CIMG3447.jpg
ウンコ付いてると言われた犬

んで、やっと朝食。
ポーク、漬物、ゴーヤーおひたし、ゴーヤーマヨネーズ和え
納豆、味噌汁、目玉焼き。そしてデザートに柿一個半。
「本当はゆし豆腐の味噌汁作ってあげようと思ったんだけど
 おかしいね。まだこないのよ。いつも七時くらいに来るのに」
そりゃ残念だ。まぁいいや、また来よう。
で、味は当然文句なし。
ゴーヤーのマヨネーズ和えは絶品だった。
デザート多いよ、と思いつつも完食。おいしかった。

そんなこんなで気づいたら9:50。
やっべ。大城さんと10時に待ち合わせしてたんだ!!
急いで部屋に戻り荷物をまとめる。そして10時ジャスト!
「岡田さんいますー?」
大城さん、寸分の狂いもなく到着。
ウチナータイムはどこにやら。あははは。
宿泊代2500円(安い!)を支払い出発。
ゆっくり島を回れなかったのは残念だがそれはまた今度。
ゆし豆腐と一緒に今後の楽しみにしておこう。

大城さんの車に乗り、沖縄逆ヒッチドライブ2日目スタート。
今日は北部へ。一人じゃなかなか行きにくい場所だ。
早速高速に乗り、ガンガンと北へ突き進む。
「今日は雨だねー」大城さん残念そう。
「どうでしょう。ちょっと調べますね」と携帯で天気を調べると
「今はそんなこともできるのかー!」と驚く大城さん。
デジカメとかにも興味があるらしく、いろいろ教える。
(ちなみに予報はやっぱり雨…)

途中SAに立ち寄り、BCアイスを食べてひと休み。
夏の限定フレーバー「ブルーウェーブ」
っていうかもう秋だし。さすが常夏の楽園。

CIMG3453.jpg
ソーダ味とパイン味のミックス

大城さんはコーヒーを飲みつつ携帯の質問を連発。
何だか欲しくなってしまったらしい。

その後一時間ほどで名護に到着。
もうお昼、ということで昼食をとりに行く。
しかし大城さんが車を止めたのは…ジャスコ?
ここで食べるの?何を?
大城さんが「行こう」とやってきたのはバイキング。見た目普通。
沖縄感ゼロ。ここで食べるんすかー?
というと大城さんさっさと2人分の会計を済ませちゃう。
あ、ありがとうございます。

まぁ、結構沖縄料理は食べつくしたし、たまにはこういうのも、
と思い料理を物色していると、流石、やっぱり沖縄。
さりげなくグルクンのから揚げがしっかりと置かれていた。
パスタやらなんやらたらふく食べて、
デザートに沖縄ぜんざい(氷のやつです。しっかりと置いてある)
も食べて満足満足。やっぱりここは沖縄でした。

腹ごしらえも完了。いよいよ北部の観光へ。

まずは海洋博公園。ここは車窓のみ。
しばらく来てないなぁ。美ら海水族館もそういえばまだ見てない。
観とくべきでしょうか、また今度。
次に向かったのは近くにあるビセという集落
ここはフクギの防風林が昔のまま綺麗にのこっている。
森のようで昼間だと言うのに何だか薄暗い。
すっげーなー。
次に伊江島が見渡せるポイントへ向かう。
雨さえ降ってなければ最高だったろうけど。
でもタッチューも良く見えた。次来る時は上陸したいな。

「じゃあ次は古宇利島行こうか」と大城さん。
古宇利島といえば最近橋が架かって陸続きになったあそこか。
古宇利大橋を渡り初上陸。さすがに橋付近は整備されていて、
近くにはBCアイスやおみやげの売店もいくつかあった。

海のほうに出るとさすがに濁っていてジュゴン伝説の島は見る影もない。
「ここは晴れてるとすごくいいんだよ」と大城さん。
うーん、残念だ…。
それに天気も悪く、もう11月も間近で寒くなってきた。
この時は南国っぽいTシャツ一枚しか来てなかったし。
すると大城さん
「アイス食べようか」
とまたまたびっくり提案。寒くないのか、さすが沖縄の男だ…。
俺もちゃっかりチーズケーキアイスをおごってもらい
寒空の下アイスにかぶりつく。まぁこれはこれで…(笑
すると売店のおばちゃんたちが「寒くないのー?」と聞く
ごもっともです。「正直少しだけ」というとおばちゃんたち苦笑い。

CIMG3463.jpg
橋からの風景。うーん、天気が。

本部半島一周も終了し、次はやんばるへ。
実は大城さん、どうしても見せたい場所があるという。
しばらくして車は有銘(あるめ)という集落に到着した。
おじさんが指差したのは特に何でもない路肩の草むら。
戦時中、ここでアメリカ兵が殺されたのだそう。
そして戦後、この集落を再び訪れた大城さんは
その話を知ってる人を探し、集落で出会ったある同年代の女性に出会う。
その女性がなんと偶然にも、そのアメリカ兵を埋葬した人だった。
当時、敵国であるアメリカ兵を埋葬するなどもっての他。
下手をすれば反逆者として捕まりかねない行為だった。
だがこの集落の人々は「アメリカ兵とて同じ人間」と手厚く埋葬したのだそう。
そして戦後やってきたアメリカ人兵士達はその話を聞き
とても有銘の人たちに感謝したのだそうだ。
次にその兵士が埋葬された入り江へ向かう。
波も穏やかで、とても静かな場所。
改めて沖縄戦の悲劇が身に染みた。

その後はその集落からすぐ近くのこれまた何も無い海辺へ。
大城さんがおじいさんと戦時中にこの海岸を歩いていたら
前方からアメリカ兵が2人やってきて鉢合わせしたそう、
「殺される」と思った大城さんは一目散に逃げたが
おじいさんを置き去りにしてしまったそう。
しかし、そのアメリカ兵は、おじいさんに何もせず立ち去ったのだそうだ。
アメリカ兵2人はのちに日本兵により殺されてしまうのだが、
大城さんは「あの米兵達には恩を感じる」のだそう。

CIMG3469.jpg

次に有津(アリツ)という集落へ。
ここは大城さんが生まれ育った集落だそう。
本当に小さな集落だ。家が数件並ぶらだけの。
北部は山も深く、閑散としていて、那覇やコザなど
街が並ぶ中部以南に比べてまったく空気が違った。
次はもっとじっくりと旅してみたい、と感じる土地だった。

帰りはあの普天間基地問題で揺れるキャンプシュアブ。
辺りには当然の事ながら基地建設反対の看板が山ほど立っていた。
しかし大城さん曰く「米兵がいるから潤ってる部分が沖縄にはあるんだよ、
だから一概に悪いとは言えないんだよ」と大人の意見。
なるほどね、言われてみればその通りかもしれない。

そして車は帰路へ。
那覇の街の喧騒がまた車窓に見えてきた。
帰りに最後のお願いで農協に寄ってもらい夕飯の買い物。
今日の宿はドミトリーなので食事がでない。
それとお土産もいくつか買い込んだ。
ポークランチョンミートを買い込む姿を見て大城さんが
「本土には売ってないの?」と珍しそう。
あることはあるけど、高いんだよね(笑

そして国際通り近くの交差点でいよいよお別れ。
本当に二日間ありがとうございました。
(後にビデオカメラで撮ったやつを編集までして頂いてしまった。
 本当にありがとうございます。)
この人のおかげで楽しい旅になりました。
ほんと、一期一会の出会い、大切にしないとね。

さて、今日の宿は「旅の宿 ふじ屋」
国際通りの裏手、とてつもなく狭い道を行くとその宿はあった。
っていうか宿か、これ。

CIMG3493.jpg
次の日撮った宿の看板。

明かりのついた普通の民家の中を覗き込むと
もうなんだかにぎやかに騒いでいる。
「すいませーん」と言うと「あ、いらっしゃーい」と若いお兄さんが。
この人がヘルパーさんらしい。
部屋に案内してもらい、宿代1500円を支払って宴会の輪に入る。
どうやらこれから夕食らしく「一緒にどうですか?」
ということでお言葉に甘える事に。どうやら買い込んだ食糧は明日の朝ってことになりそう。

夕食は豪華にジューシーとナーベラーの煮物。
これが絶品だった。料理上手いなぁ。
その後、泡盛タイム…だが誰も飲まず…なんで?
「え、まだ8時でしょ?」
…もう8時じゃないっすかー。
どうやら八重山と那覇じゃ感覚も違うらしい(笑
で、まぁ結局飲んじゃいました。シマー。

この宿、常連→移住な人たちが多いらしく、
次々と移住した人たちが宿に遊びに来る。
正直、何人来たのか覚えてない。
決して広くない茶の間に皆で集まってまったり。
いいな、やっぱこういうの。

CIMG3493.jpg

「祐一くんはいつ帰るの?」ヘルパーのお兄さんが聞いてきたので
「明日帰っちゃうんですよー」と言うと
そこから一気に「帰らなくていいじゃん」祭りに。
いや、すんません。学校です。行ってないけど(苦笑

結局消灯時間の1時前までなぞなぞ番組で盛り上がりつつ
沖縄最後の夜は暮れて行ったのでした。

さて、あと1日。
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